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イオン(8267)について考察(株式分割後の情報更新あり)

2025年6月12日、イオンは21年ぶりの株式分割と、それに伴う株主優待の変更を発表しました。
株式分割は2025年8月31日に行われ、1株→3株となります。
それに合わせて、本記事も一部を更新しました。

日本中に展開している「イオン」。
利用したことはなくても、名前くらいはほぼ誰でも知っていますね。
この記事ではそんなイオンを投資先として考察していきます。

目次

配当金

2025年2月期の配当実績は1株あたり年間40円
2026年2月期の配当予想は1株あたり年間40円 → 41円

株式分割に合わせて、期末配当が従来予想が一株7円(分割前換算で21円)と、分割前換算の年間配当予想が41円と実質増配となりました。

この記事を書いている2025年5月現在、直近の株価は4,000円~4,400円あたりを推移しており、配当利回りは1%未満です。

株式分割の発表の翌日に株価が高騰し、一時4,500円近くまで上がりました。

株主優待

イオンの株を100株(分割前時点)以上保有すると、複数の株主優待が受けられます。
色々な優待があるので、順を追って見ていきましょう。
なお、イオンだけではなく、まいばすけっと、ビッグ・エー、アコレ、マックスバリュ、ダイエーなどの系列店での買い物も対象です。

買い物金額に応じた還元

特に大きい優待は、株主になるともらえるオーナーズカードを提示した上で対象のイオン系列店買い物をすると、半期ごとに現金またはWAONポイントで還元を受けられるというものです。

2025年8月31日の株式分割前の情報
保有株式数還元率
100株~499株3%
500株~999株4%
1,000株~2,999株5%
3,000株~7%
2025年8月31日の株式分割後の情報
保有株式数分割前の株式数(参考)還元率
100株~199株(新設)34株~66株1%
200株~299株(新設)67株~99株2%
300株~1,499株100株~499株3%
1,500株~2,999株500株~999株4%
3,000株~8,999株1,000株~2,999株5%
9,000株~3,000株~7%

還元を受けられる買物額の上限は半期ごとに100万円までです。

お客様感謝デーの特別割引

毎月20日と30日はお客様感謝デーとして、オーナーズカードを提示して買い物をすると5%割引特典を受けられます。対象店舗はイオン、マックスバリュ、イオンスーパーセンターなどです。

現金、WAON、イオンマークのカードでのクレジット払いなどの対象となる支払い方法を使う必要があります。

常時割引/優待料金

イオンイーハート、イオンシネマ、メガスポーツ、イオンペットなどでは、会計時にオーナーズカードを提示することで割引の適用や優待料金での利用ができます。

この特典がある店舗では上述の「お買い物金額に応じた還元」の特典はありません。

長期保有株主への追加の優待

3年以上の長期保有株主に対しては追加でイオンギフトカードが送られます。

2025年8月31日の株式分割前の情報
2月末日の保有株式数イオンギフトカードの金額
1,000株~1,999株2,000円
2,000株~2,999株4,000円
3,000株~4,999株6,000円
5,000株~10,000円
2025年8月31日の株式分割後の情報
2月末時点の保有株式数分割前の株式数(参考)イオンギフトカードの金額
1,500株~2,999株(新設)500株~999株1,000円
3,000株~5,999株1,000株~1,999株2,000円
6,000株~8,999株2,000株~2,999株4,000円
9,000株~14,999株3,000株~4,999株6,000円
15,000株~5,000株~10,000円

条件を満たすためには2月末および8月末時点の株主名簿に、同一株主番号で7回以上連続で記載される必要があります。

イオンラウンジの利用

100株以上保有することで、一部店舗に設置されている「イオンラウンジ」を利用する権限をもらえます。
COVID-19のパンデミック期間は閉鎖されていましたが、2023年6月から順次再開しました。
利用回数の制限は2025年5月時点では月8回/1日1回となっています。
また、1回あたり30分までの利用制限があります。
同伴者は一人だけ許可されます。

Shinobu

イオンラウンジの設置店舗が近くにあるなら利用してみる価値ありです

株式分割前100株以上(分割後300株以上)保有の株主は、分割後もこれまで通りお客様感謝デーの特別割引やイオンラウンジの利用ができる旨が発表されています。
一方で、分割後に300株未満保有の株主については、これらの優待は別途「決定次第お知らせいたします」となっており、2025年6月15日現在では分かっていません。

配当+株主優待の総利回り

株式分割後の株価を1,500円と仮定し、各優待の条件が変わる保有株数ごとに配当+株主優待の総利回りを計算してみます。

株式分割が発表された後に株価が高騰したため、分割前4,500円/分割後1,500円と想定し直して計算しています。発表前に書いた記事では想定株価4,400円で計算していました。

半年の買物金額に応じて計算していますが、同じ買い物金額を2期(半年×2=1年)続けたと仮定し、利回りは年利で表示しています。
つまり年間の買い物金額はこの表の2倍と考える必要があります。

なお、配当金は最新発表予想の1株7円が中間/期末ともに出て、年間14円になると仮定して計算しています。
仮定の多い計算であることに留意してください。

長期保有優待を含む総利回り計算

半年毎の買物金額100株
(新設)
200株
(新設)
300株1,500株3,000株6,000株9,000株15,000株
(投資金額)15万円30万円45万円225万円450万円900万円1,350万円2,250万円
(還元率)1%2%3%4%5%5%7%7%
(長期保有優待)無し無し無し1,000円2,000円4,000円6,000円10,000円
0円0.93%0.93%0.93%0.98%0.98%0.98%0.98%0.98%
100,000円2.27%2.27%2.27%1.33%1.20%1.09%1.08%1.04%
200,000円3.60%3.60%3.60%1.69%1.42%1.20%1.19%1.10%
300,000円4.93%4.93%4.93%2.04%1.64%1.31%1.29%1.16%
400,000円6.27%6.27%6.27%2.40%1.87%1.42%1.39%1.23%
500,000円7.60%7.60%7.60%2.76%2.09%1.53%1.50%1.29%
600,000円8.93%8.93%8.93%3.11%2.31%1.64%1.60%1.35%
700,000円10.27%10.27%10.27%3.47%2.53%1.76%1.70%1.41%
800,000円11.60%11.60%11.60%3.82%2.76%1.87%1.81%1.48%
900,000円12.93%12.93%12.93%4.18%2.98%1.98%1.91%1.54%
1,000,000円14.27%14.27%14.27%4.53%3.20%2.09%2.01%1.60%
※配当金 + 買い物還元 + 長期保有優待
※分割後の株式数を基準に算出
Shinobu

必要な投資金額が非常に大きくなるので、長期保有優待をもらったとしても総利回りにはほとんど影響を与えないですね

総評

分割発表の前後で話が大きく変わってきましたので、総評は一から書き直しました。

株式分割発表前であれば、PER、PBRなどの指標やテクニカル的にもキャピタルゲインを狙った投資には懐疑的な見方をしており、一方で単元株(分割前100株)で買い物還元を受ければ非常にお得である、という結論を付けていました。

しかし今回の分割は非常に大きなインパクトが予想されます。

上述の優待込の配当利回りを見て分かる通り、分割後の100株(現在の株価で想定するならば分割後1,500円、つまり15万円の投資)でも高い利回りを期待でき、初期投資が少なければそれだけ保有するハードルが下がります。
現状かなり株価が高止まりして新規保有が躊躇われる状況だったところ、分割によって増える潜在的な新規株主(しかも長期の安定株主になりやすい)がまだまだいることが予想されます。

一般的にも株式分割の前後では株価が上がりやすい傾向にありますが、イオンの場合は元々の信用倍率が低く、さらに高騰する可能性もあると思います。

この記事で新規に計算し直した優待込み配当利回りは分割後株価1,500円(分割前4,500円)を想定していますが、もしかするとこれも大きく変わってくるかもしれません。

株式分割発表前の記載内容

国内の小売業の中では圧倒的シェアを誇るイオングループ。
内需株のため国内消費の動向に影響を受けます。

PBR、PERともに非常に高い水準で、株価にはあまり伸びしろがあるようには見えません。
配当利回りも低く、今から数百株以上を買うのはリスキーに思えます。

しかし単元株数である100株だけを買うならば話が大きく変わります。
イオン系列店での半年ごとの買物額が30万円(年間60万円)を超えると、今の株価でも配当+優待利回りが5%の大台に達します。
さらに50万円(年間100万円)を超えるならば、そこらの高配当株並の大きな利回りを得られます。

いずれの総利回りも株価4,400円と仮定した場合の値。

イオン系列店で日常的に買い物をしている、あるいは今後買い物先をイオン系列店に変更することが可能な状況であれば、100株だけ買って最も費用対効果の高い優待還元を受けるのは十分に検討の余地ありです。

平均的な食費に対する年間支出は世帯人数によって変わりますが、二人以上の世帯であれば最低でも年間60~80万円くらいは支出している場合が多いです。もしそれをイオン系列店で使っているならば、買い物還元を受けることで大きなメリットとなります。
まずは直近の食費などの支出がどうなっているか、家計簿のチェックから始めてみると良いかもしれません。

逆にイオン系列店での買物額が少ないのであれば、あえて投資先に選ぶメリットは少ないでしょう。

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この記事を書いた人

Shinobu

サラリーマンをしながら地道に投資をしています。
文章を書くのが好きです。
独学でプログラミングを勉強中です。

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