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U-NEXT HOLDINGS(9418)について考察

日本ではNetflixに次いで2位のシェアを誇るコンテンツ配信サービス「U-NEXT」を中核とし、株式会社USEN、株式会社U-NEXT、株式会社USEN-ALMEXなどを傘下に収める持株会社がU-NEXT HOLDINGSです。

この記事では、同企業を投資先として考察していきます。

目次

配当金

2024年8月期実績:11円(配当性向:12.9%)
2025年8月期予想:14円(配当性向:15.1%)
(*2024年12月1日の1株⇒3株の株式分割を考慮した数値)

配当性向はかなり低めですね。
2025年7月16日終値2,055円で計算すると配当利回りは0.68%となります。

2022年2月に公表された中計で配当性向10%~30%を目標とされています。
新中計では配当性向引き上げを期待したいところです。

株主優待

メインサービスの「U-NEXT」が利用できる優待が用意されており、毎年2月末日現在、8月末日現在の株主が対象です。

保有株式数優待内容提供方法
100株~999株「U-NEXT」の90日分利用料と1,000円分のポイントギフトコード
1,000株以上「U-NEXT」の1年分利用料と毎月1,800円分のポイント専用ID

100株優待

通常のアカウントでギフトコードを適用して利用します。

100株買えば90日分が利用できるのは大きいですね。
ただ、通常の月額プランとは違う点があるので、注意が必要です。

  • ギフトコード登録時1,000ポイントもらえる
  • 月額プランのように毎月1200ポイントもらえない
  • 月額プランよりも見放題コンテンツが数%~10%前後少なくなっている

対象外になる作品は変わるようで、後から対象になることもあったりと、一定ではないです。
IRに問い合わせたところ、次のような回答をいただきました。(要約)

  • 視聴ができないコンテンツのラインナップ等は予告なく変更または終了する場合がある
  • どの程度視聴可能であるかを具体的に伝えるのは難しい
  • ギフトコード適用中に表示される作品が視聴可能な作品(=直接確認するしかない)

残念ながら私は現在100株優待を使っていないので最新情報の共有は出来ないのですが、過去に見た限りだと作品のジャンルによって対象外となるものは偏りがあり、洋画や海外ドラマは1割~数割くらいが減っていた気がします。
一方で邦画、国内ドラマ、アニメなどは通常の月額プランとほぼ変わらず、対象外の作品は1%~数%程度でした。

家族内(夫婦など)で2人が100株ずつ保有すると、半年ごとにクーポンで合計180日間、年間で360日間(=ほぼ1年分)無料で利用できるのでとてもお得です。
1,000株はちょっとハードルが高いけど年間を通して無料で利用したい!という方は、このやり方を検討してみると良いかもしれません。

Shinobu

優待の権利の譲渡は通常禁止とされていますが、
IRに問い合わせたところ「家族間であれば問題ない」と回答をいただきました。

1,000株優待

新しく株主になった場合は、初回は案内に従って申請を行い、専用IDでログインします。
2回目以降は1,000株以上の保有が続いている限りは自動で更新されるので、再申請は不要のため、100株優待のギフトコードのように手間はかかりません。

なお勘違いしている人を見かけたので念の為に書いておくと、
優待内容には「1年分利用料」とありますが、半年ごとに1年分が次々に追加されていくわけではありません。
半年ごとに株主名簿に載っていれば自動更新(そこから1年になる)ということです。
例えば、2年(4期)保有したとしても「1年分を4回=4年分」ということにはなりません。

次に、100株優待との主な違いは次の通りです。

  • 100株優待よりも多くのコンテンツを視聴できる
  • 通常の月額プランのように毎月ポイントがもらえる
  • 毎月のポイント数は1800ポイントで、通常の月額プランよりも600ポイント多い

なお、毎月もらえるポイントはU-NEXT内で電子書籍の購入や映画チケットの交換などに使えます。

ポイントの内訳はIRより『毎月1日に「U-NEXT」分として1,200ポイントが、「SMART USEN」分として600ポイントが付与されます』と説明されています。

少々分かりにくいですが、「SMART USEN」分600ポイントもU-NEXTで使えます。

Shinobu

100株、1,000株のいずれの優待でも、ファミリーアカウントは利用できます。

補足:ファミリーアカウントについて

1つの契約に対して、3つまで子アカウントを追加できるサービスです。
嬉しいことに、これが株主優待を利用している場合でも活用できます。

親アカウント+子アカウントの合計4アカウントでそれぞれ同時再生が可能ですが、同作品やNHKオンデマンド作品、サッカーパック対象作品の同時再生はできません。

また、ペアレンタルロックとして子アカウントはR18+以上のR指定作品は非表示になり、ロック解除できません。(子アカウント利用者が大人でも解除不可)

子アカウントでポイントや決済を利用することもできますが、制限をかけることもできます。

配当+優待 総利回り

配当と優待を合わせた1年あたりの総利回りを考えてみます。

まず前提として通常プランは2,189円ですが、これは毎月1,200ポイント(1,200円相当)がもらえますので、利用料そのものだけを見ると実質989円/月と考えます。
ポイントはそのまま1ポイント=1円換算で考えます。

なお、U-NEXTギフトコードをセールの時に割引価格で買えば実質的に通常プランを10~20%程度安く利用する方法もありますが、この総利回り計算では考慮しません。

100株優待の価値

【U-NEXT利用料】
90日間の利用ができ、年に2回もらえる
989円/月×3ヶ月×2回=5,934円
※視聴対象外のコンテンツが一部ありますが、不明確で金額化もできないため、ここでは考慮しません。

【ポイント】
ギフトコード登録時(年2回)にそれぞれ1,000ポイント(1,000円相当)もらえる
1,000円/回×2回=2,000円

【優待の価値】
利用料5,934円 + ポイント2,000円 = 7,934円

1,000株優待の価値

【U-NEXT利用料】
1年間の利用ができる
989円/月×12ヶ月=11,868円

【ポイント】
毎月1,800ポイント(1,800円相当)もらえる
1,800円/月×12ヶ月=21,600円

【優待の価値】
利用料11,868円 + ポイント21,600円 = 33,468円

それぞれの総利回り

上記の「優待の価値」をベースに、配当金は2025年8月期予想の1株14円、株価は2025年7月16日終値2,055円で計算します。

保有株式数配当金優待の価値必要投資金額総利回り
100株¥1,400¥7,934¥205,5004.54%
1,000株¥14,000¥33,468¥2,055,0002.31%

上述のように100株優待の場合は見放題対象外コンテンツも一部ありますが、その点を割り切れるならば、かなり高い総利回りとなります。

一方で1,000株優待は総利回り2%台と、相対的に低くなります。「優待の価値」も大部分がU-NEXT上で利用するポイントとなりますので、それに価値を見出だせない&使い切れない場合は実際はもっと低くなります。

また、冒頭で述べたU-NEXTギフトコードをセールの時に割引価格で買えば実質的に通常プランを10~20%程度安く利用できることを考慮するなら、「優待の価値」は100株、1000株のいずれの場合も若干低く見積もる必要がありますので、その場合は実質的な総利回りは少し低くなります。

事業成長の見込み

U-NEXT HOLDINGSは冒頭にも述べたように複数の企業を傘下に持つ持株会社であり、看板である「U-NEXT」のコンテンツ配信事業だけではなく、各セグメントが成長を続けています。

U-NEXTを擁するコンテンツ配信セグメントももちろん成長していますが、
売上は通信・エネルギーセグメントのほうが大きく直近の成長率も高いです。
さらに店舗・施設ソリューションセグメントは営業利益率が高く、売上規模は上記2セグメントより低いのに営業利益は1.5倍以上です。

金融・不動産・グローバルセグメントはまだまだ規模が小さいですが、堅実に成長しています。
各セグメントはリスクを抱えつつも成長を続けており、会社全体の財務としても健全な拡大をしているようです。

総評

まだまだ成長中の企業であることを考えると、配当金を求めるような投資先ではないです。現在の配当利回りは0.68%で配当性向も低い状況です。配当性向は多少向上の期待はできますが、それでも配当は短中期的にはこの銘柄の魅力とはなり得ないと思います。

しかし、Netflixを猛追する国産プラットフォームとして頑張っている企業で、株価も長期チャートだと右肩上がりです。

先週発表された決算資料を読んでみると、財務も健全で売上増加に合わせて理想的な形で事業拡大ができている印象でした。先行赤字による利益圧縮で通期予想は据え置きとなっていますが、これは一過性のものなので仕方ないですね。

PER、PBRともに高く、成長企業特有の不安定感はあるのですが、長期的に見ればキャピタルゲインも狙っていける可能性があります。

インカムゲインについては、前項で分析した通り、配当+株主優待の総利回りでは100株は4%程度とそれなりに価値がありますが、1,000株の場合は2%程度と低めです。ただし、株主優待の内容はU-NEXTのサービスに興味がない人には全く価値がありませんので、やはりそこを楽しめるかどうかで投資をするか決めたほうがいいかもしれません。

日本の「デジタル赤字」が注目されていますが、U-NEXTはNetflixよりも先に動画配信サービスを始めた老舗ですので、少なくともこの分野では日本人が積極的に国産サービスを選択していってほしいな、と個人的には思います。

やはりBtoCのコンテンツ配信部門が最も話題になりやすいですが、近いうちに影響を与えそうなものは、音楽サブスクへの参入かと思われます。
インタビュー記事などを読む限りでは、既存のU-NEXTプラン料金のままで利用できる形になるようです。

余談ですが、この会社のIR部門はとても優秀で、回答が早く丁寧な対応をしていただけました。
私は投資先のIRには積極的に問い合わせていますが、会社によってはイマイチな対応をされることもありますので、U-NEXTの対応の良さは印象に残っています。

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この記事を書いた人

Shinobu

サラリーマンをしながら地道に投資をしています。
文章を書くのが好きです。
独学でプログラミングを勉強中です。

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